早めに歯を入れて咬めるようにしてほしい!

お久しぶりです。中川歯科@八王子 中川雅路です。

先日、このブログでお伝えした通り、この秋は色々なところが声をかけて頂き、合わせて計7回の講演をさせて頂きます。各々の講演は、時間60分~2.5時間 内容は全て微妙に違いますので、それぞれに合わせてプレゼンを作っていくのは意外と大変でした。(まだ過去形ではありませんが・・・w)

メインイベントは母校:東京医科歯科大学での講演となりますが、そのほかの講演でも来て頂いている方々に楽しんでいただける、ためになるような内容とできるように頑張っていきたいと思います。

お時間ございましたら、是非お越しになってください!詳細は前回の ブログ をご覧ください。

 

さて、本日は久しぶりに当院でも治療をご紹介したいと思います。

患者さんが来院された理由は 『前歯が取れてしまった』 ということでした。お仕事が忙しく、行かなければ…と思いつつ、歯科への受診は後回しになってしまったそうです。奥歯も失われていまして・・・こういう場合、前歯への負担は想像を絶するものがあり、割と短期間で下の写真のようにセラミックを支えている歯根自体がダメになってしまうことが多いのです。

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外れた時のレントゲン写真です。向かって右の奥から2番目の歯(5番)も完全に歯根が割れていて、残念ながら残すことはできません。患者さんはインプラントも含めた固定式のセラミックを希望されているんですが。。。果たして前歯は残せるでしょうか?

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感染象牙質(虫歯)を取り除いた後の前歯の写真です。真ん中よりの2本はうまくやれば何とか残せるとは思いますが、他の3本は全体的な状況からすると厳しいと判断しました。結局、何とか不安ながらも残せるのは4本のみとなってしまいました。
※治療期間と労力、治療費を無視すれば残せるかもしれませんが、患者さんの希望である『しっかりと噛みたい』事が実現可能となる仮歯が入るまでにはかなりの時間を必要とします。

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患者さんとよく相談した結果、全ての歯の抜歯を行いインプラント即時負荷(入れたその日に固定式の仮歯まで完成させる)を行うこととなりました。下の画像は術後、仮歯まで装着し状態のレントゲン写真となります。結果としては All-On-4 の形になっていますが上顎の場合は力のかかり方から考えると、通常は6本程度が適当となります。

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今日で2週間が経過しましたが、いたって順調に推移しています。

こういった方法は残っている歯の数と質、残っている部位によっては非常に効果的です。
私が歯を残すために歯医者をやっていることは間違いありませんが、時と場合と目的によってはこの様なアグレッシブな方法をとることが月に一回程度はあります。

 現在、比較的大きな入れ歯を入れている方でインプラントをお考えの方には、状況によってはお勧めできる方法ですね。実質的に半日で、かつ通常は一回だけの手術で固定式の歯が入るため、多くの患者さんに喜ばれています。
前歯に大きく骨を作る手術に比べれば自由度が高く、決して難易度の高い方法ではありませんが、きちんと成功させるためには十分な経験とトレーニングが必要となります。当院では10年以上前からコンスタントに継続して治療を行っており、現在では100症例以上の実績を持っております。
ご質問などございましたら、ご連絡いただければ幸いです。
では、次の更新でお会いしましょう
中川歯科 中川雅裕

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