顎の痛みや頭痛、肩こり、腰痛など不快な症状に悩まされていませんか。
このような不快症状は、放っておくとイライラしてストレスとなります。

しかし、頭痛や肩こり、腰痛など不快な症状が出るからには、やはり何らかの原因があるはずです。
外傷疾患や内蔵疾患の他に、歯の噛み合わせの悪さが原因になっている場合が意外に多いのです。

噛み合わせが悪いと、頭痛や肩こり、腰痛はもちろん、集中力や忍耐力の低下にも繋がります。
歯が受けた悪い刺激が口腔組織から脳に伝わり、脳は顎を動かす筋肉に噛み合わせをずらせと指示します。

すると、顎がずれてしまい、顎の筋肉はもちろん、首や頭、肩の筋肉までが疲労してきます。
その疲れた筋肉をカバーしようと、肩が上がり、バランスと取ろうと首が傾き、背骨も湾曲してきます。

しだいに不自然な状態、姿勢が骨盤等身体全体に波及し、筋肉や骨の傾きは神経を圧迫、さまざまな症状となって現れてくるのです。

噛み合わせの悪化を招く3つの習慣

噛み合わせが悪化する原因のほとんどは、私たちが普段何気なく行っている習慣によるものです。特に、下記のような習慣のある方は、普段から十分に注意して対策を行う必要があるでしょう。

ストレスなどによる歯ぎしり・食いしばり

過度のストレスやプレッシャーを感じると、無意識に口周りの筋肉がこわばり、日中や睡眠中に歯ぎしり・食いしばりを引き起こします。こうした習慣が継続されると、歯に負担が生じて噛み合わせが悪化します。

姿勢の悪さ

過いつも決まった方の足を上にして足を組む、決まった方の肩にバッグを掛けている、夜は同じ方向を向いて寝ているなど、悪い姿勢が癖になってしまっている方は要注意です。こうした姿勢が継続されると、身体が徐々に歪み、噛み合わせにも影響が現れることがあります。

頬杖や噛み癖などの癖

噛み合わせが悪くなる癖の例として、「頬杖をつく」といった習慣があります。例えば、あなたはテレビを見るとき、いつも決まった方向を向いて頬杖をつき、画面を見てはいないでしょうか?こうした癖は、一定の力が継続的に顔の一部へ加わることで、骨が変形して噛み合わせに悪影響をおよぼす可能性があります。
そのほか、食べ物を右の歯で噛むことが多い、などの噛み癖にも注意が必要です。

悪い癖や習慣によって噛み合わせが悪化すると、以下のような悪影響が身体に現れる場合があります。

虫歯になりやすい

噛み合わせが悪くなると、虫歯になりやすくなります。通常、歯は噛むときに歯と歯がぶつかることで、ある程度の汚れを自然に落とす働きを持っています。しかし、噛み合わせが悪いと、歯の当たる面積が小さくなり、汚れが自然に落ちないため虫歯リスクが高まります。

歯周病になりやすい

噛み合わせが悪いと、噛んでいる歯に負担がかかり、歯周病の可能性が高まります。人は30歳を過ぎるあたりから身体の抵抗力が低下するため、この時期にはさらに歯周病リスクが高まります。

普段のブラッシングや歯科治療が困難

噛み合わせが悪い方は、歯が凸凹していたり、斜めになっていることが多くありますが、こうした口内環境はブラッシングが不十分になりやすく、歯科治療も難しくなります。

顔に歪みが出やすくなる

片方の歯だけで噛むクセが習慣化して噛み合わせが悪くなると、顔の筋肉(表情筋や咀嚼筋)のバランスが崩れ、顔が徐々に歪んできます。また、その下にある骨は筋肉の厚みによって変形するため、結果的に顎の形も歪んでくる恐れがあります。

頭痛になりやすい

噛み合わせが悪いと、顎の関節から頭の横につながる筋肉(側頭筋)が緊張を起こし、頭痛を誘発する場合があります。

肩こりを引き起こしやすい

噛む筋肉がバランスを崩すと、首や肩にかけて繋がっている広頸筋(こうけいきん)に負担がかかり、肩が凝りやすくなります。

当院の咬合治療では、噛み合わせの悪化によって生じる様々な症状を軽減・改善するための治療を行います。

噛み合わせが悪くなってしまった原因によって、治療方法は異なります。

ご来院の際には、はじめに問診と検査によって噛み合わせが悪くなった原因を特定し、患者さん1人ひとりに合った最善の治療プランを考えていきます。

セルフケア

歯ぎしりや食いしばり、うつぶせ寝、頬杖、猫背といった日常的な習慣が原因となって噛み合わせが悪化している場合は、普段の生活習慣を見直していただくセルフケアを中心に治療を行います。
基本は「顎に負担をかけないこと」を意識してもらい、食いしばりや歯ぎしり、頬杖といったクセが出ないように常に心がけてもらいます。また、片方で噛む方は、両方の歯で均等に噛むように注意していただきます。
さらに、顎の筋肉の緊張をほぐし、関節まわりに加わったダメージを軽減するためのマッサージやストレッチ方法についてもご指導いたします。

鎮痛剤・消炎剤の処方

顎関節への負担が大きく、開口時に痛みが生じたり、炎症が起こっている場合は鎮痛剤や消炎剤を服用していただきます。慢性化した炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。

スプリント矯正

歯科医院にてシリコンやレジンでできたマウスピースを作製し、装着していただくことで、顎の正しい位置を身体に覚えさせます。これにより、顎関節にかかる負担を減らし、噛み合わせを修復します。

マウスピースによる治療

噛み合わせ悪化の原因が睡眠中の歯ぎしりによって生じた歯の摩耗である場合、これ以上歯が擦り減らないように、睡眠中にマウスピース(スリープスプリント)を装着してもらい、歯を保護する治療を行います。
また、すでに激しく歯が擦り減っている場合は、仮歯や矯正、セラミックなどを使って、摩耗した部分を補填するための治療をご提案する場合があります。