前歯部の審美的なインプラント
こんばんは 中川歯科医院@八王子です
先週末は、歯科界では恐らく初めての試みとなるイベントのお手伝いを少ししてまいりました。詳細は省きますが、これからの日本の歯科界を背負っていく若い世代に一石を投じる講演会だったと思います。
先日見えた患者さんの経過が良好だったので、一般的な前歯のインプラント治療の考え方を解説したいと思います。
⇓ 初診時の状態ですね。古いセラミックをやり替えをご希望ですが・・・
⇓ 外してみるとご覧の通り、あまり良い状態とは言えません。特に側切歯(写真の小さい方)は外側から歯根が吸収されており、残念ながら保存が難しい状態でした。
⇓ このような場合、部分矯正の考え方を取り入れることにより、抜歯前に歯周組織(歯肉)を作っておくことが可能です。こうすることによって、インプラント埋入後の組織の萎縮を補償することが可能となります。
⇓ インプラント埋入と同時に人工骨と歯肉の移植を行いましたので、組織の喪失は最小限の量で済んでいます。何もしないと思った以上にインプラント周囲組織がなくなってしまうのですが、そうなると審美性と長期にわたる安定を得ることが出来なくなります。あとから組織を足すのは大変難しいので、最初の手術で何をするかをよく考えておくべきなのです!
⇓ 3年後の状態。側切歯はやや長めの仕上がりとなってはいますが、むしろ、仮歯の時よりも歯肉は安定しているように思えます。今回は患者さんの希望が無かったのでやりませんでしたが、必要とあらば中切歯(真ん中の歯)も引っ張ることにより完全に左右対称という状態を作る出すことは可能です。通常は我々が拘るほどには患者さんは気にしないことが多いのですがね・・・
では、また次のネタを考えながら、今日は床に就きたいと思います。
Adios!
中川歯科