強烈な歯ぎしりにより削れてしまった歯を綺麗に治す①
こんばんは 中川歯科@八王子 中川雅裕です。
先日、正月を迎えたと思ったら、もう1月終わりを迎えようとしています。早いものです・・・今年一年もあっという間に過ぎ去ってしまうような気がしてなりません。。。一日一日をしっかりと生きなくては・・・笑
さて、皆さんは寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしていませんか?何せ寝ている間のことですから、気付いていらっしゃらない方も多いかもしれませんが・・・私の感覚では半分以上の方(もっとかな?)は、何らかの対応をした方がいい歯ぎしりや食いしばりを(パラファンクションと呼びます)している方がいると思います。
パラファンクションは何らかの必要があるからやっている(脳のストレス発散?)というという学説もありますが、我々歯科医師からするとこれほど憎たらしいものはありません。
皆さん、もしご自分の歯磨きが悪い場合は虫歯や歯周病が進行する可能性があるということはもちろん知っていらっしゃる事だと思います。特殊な場合を除き、それらの間にはおよそ正の関係があることは確かですね。これに パラファンクション という要素が加わると、虫歯や歯周病のリスクは数倍に跳ね上がります。それ以外にも、歯の摩耗・破損、修復物の脱離・破損、神経のない歯の破折など、およそ口の中にとってはパラファンクションはいいことは一つもない、相当に困ったものなのです。つまり、せっかく色々と頑張っていい治療を受けたとしても、短い期間で問題が出てきてしまう可能性が大きいと言うことになってしまうのです。
今回は、パラファンクションによって歯が削れてしまい、見た目と噛み合わせが悪くなってしまった症例の一つの治療方法について、お伝えしていきたいと思います。
☟初診 見た目と噛み合わせを何とかしたい!ということで来院された私と同年代の男性の方です。ご覧のとおり、歯ぎしりで歯が削れてしまっています。向かって右側にはセラミックブリッジが入っているためこちらは削れ具合が少ないことも分かります。奥歯も同じように削れいている歯が多く存在しているため、いずれにせよ何らかの対応が必要ということになります。
☟慎重に診査診断を行い、全顎的に噛み合わせを上げる治療計画を立てました。見た目と機能の両方を満たす顎の位置を模索しながら、患者さんにとって快適な噛み合わせを仮歯で探していきます。
☟歯の削れ具合と噛み合わせから考えた必要性によって、治し方が変わってきます。例えばこのケースの場合は、向かって一番左の犬歯にはラミネートべニアを、それ以外の歯に対してはオールセラミッククラウンを用いて噛み合わせの再構築を行っていきます。
☟相方となる下顎の前歯です。同じようにかなり削れています。写真で観察される歯の先端辺りのオレンジ色の部分は象牙質と呼ばれる柔らかい部分ですが、象牙質はエナメル質に比べてかなり柔らかい(グニャグニャではないですよ!)ため、このままでは削れていく一方です。そこでセラミックで歯の形態を回復し、これ以上削れないように努めることとしました。
☟べニアの場合は、通常歯を削ることなく仮歯を入れることが可能となります。治すべき全ての歯に仮歯を装着して一定期間経過を見ていきますが、その間大きな異常が見られない場合は、その噛み合わせの位置で順次、最終的なセラミックや金属に置き換えていく治療方法です。もちろん可能な限り、歯を削る量を押さえ、将来的な再治療をよりいい状態で出来るような配慮が必要である事は言うまでもありません。
この続きは次回以降に・・・ごきげんよう🎵